藤澤皮膚科では、
紫外線療法(ナローバンドUVB照射療法)を行っています。
Narrowband-UVBとは、
波長が290~320nm(ナノメータ)の中波長紫外線(UVB)のうち、
紅斑反応を起こしにくく、
かつ治療に有効な311±2nm(ナノメータ)の波長のUVBのみを
選択的に発する蛍光ランプを用いて照射します。
Narrowband(ナローバンド)UVB照射療法は、
当初、乾癬の治療法として開発されましたが、
類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫(症)、
悪性リンパ腫、慢性苔癬状粃糠疹、
尋常性白斑、アトピー性皮膚炎などにも優れた治療成績を示します。
これらの疾患は、いずれも保険診療の適応となっております。
病気の種類、重症度によって違いますが、週に1~3回照射します。
narrow-band UVB療法は、
現在行われている他の紫外線療法に比べ、
急性の副作用(皮膚の赤み、色素沈着、ほてり感)、
長期の副作用のいずれも起こしにくいと考えられています。
藤澤皮膚科では、
以下の2つのタイプのnarrow band UVB照射器を設置しています。
①全身型ナローバンド UVB WaldmannUV7001B-TL01 ドイツ製 TL01 100W 40本 照射率NBUVB 17.0 mW/c㎡ ![]() |
②局所型ナローバンドUVB デルマレイ-200 日本製 TL01 20W 10本 照射率NBUVB 2.8 mW/c㎡ ![]() |
Narrow Band UVBは上のグラフに示すように、
Broad Band UVB照射の
副作用である紅斑反応が起こりにくい長い波長のUVBであるため、
たとえば乾癬では、Broad Band UVBやPUVA療法よりも安全で、
独特のsun burnとしての発赤が起こりにくく、
なおかつ、治療効果がPUVA療法と同等の効果が得られるということが判明しています。
Narrow-Band UVB照射療法は、
従来から行われているPUVA療法やBroad Band UVB療法などと比べ、
マウス動物実験、人の臨床結果から発癌性が少ないことが推定されており、
欧米では、乾癬、アトピー性皮膚炎などの治療に一般的に用いられています。
そのため、近年、皮膚科領域において、
これまでいくつかの難治性皮膚科疾患に用いられてきたPUVAやBroadband UVB療法は、
Narrow Band UVB療法に取って代わりつつあります。
UVBがアトピー性皮膚炎に効く理由
・個々の表皮細胞自身がコルチゾールを産生する能力を有しており、
産生量が増えると皮膚炎が改善します。
表皮細胞に308-311nmの紫外線が当たると細胞自身のコルチゾール産生が回復し、
健康皮膚に戻ることの助けになります。
・ランゲルハンス細胞が減少し、抗原提示能が低下。
・角化細胞や肥満細胞のサイトカイン産生や痒み物質放出を抑制。
・サプレッサーT細胞を誘導。
・表皮内に伸びた痒み神経を正常の真皮と表皮の境目まで押し戻す。
・皮膚のバリア機能の改善、水分保持機能の正常化。
・痒みを抑える脳内物質を増やします。