レチノイン酸クリーム


レチノイン酸(オールトランスレチノイン酸)はビタミンA(レチノール)の誘導体で、
にきびの治療医薬品ですが、シワなどの皮膚の老化にも効果が認められ、
皮膚の若返り治療薬として愛用されています。

当院のレチノイン酸(トレチノイン酸0.05%)クリームの生理活性は
ビタミンAの約50-100倍に相当します。

○シミが消えるメカニズム  

表皮細胞は表皮の最も深い層(基底層)で生まれて、徐々に表面に押し上げられ、
やがて角質となり最後は垢(角質層)となって皮膚から剥がれていきます。

この表皮細胞のターンオーバーは28日間かかります。
大多数のシミは表皮の深い層である基底層にメラニン色素として存在します。

通常販売されている美白剤(医学部外品)は作用が弱いため、
この深い層に沈着したメラニン色素を排泄する作用はありません。
すなわち既に存在しているシミをなくすことはできません。

トレチノインは表皮の深い層にあるメラニン色素を排泄する働きを持っています。
トレチノインは表皮細胞を活発に増殖させるため、表皮細胞はどんどん押し上げられ、
メラニン色素も一緒に持ち上がり、2~4週間でメラニン色素が垢と一緒に排泄されます。

○レチノイン酸の皮膚に対する作用


① 角質をはがす。
② 表皮の細胞分裂を促進し、28日間かかる皮膚の再生が14日間で表皮が置き換えられる。
③ 皮脂腺の働きが抑えられ、皮脂の分泌が減る。
④ 真皮のコラーゲン生成を促し、皮膚のたるみ、しわが減る。
⑤ 真皮のヒアルロン酸などの粘液性物質の生成を促し、皮膚のみずみずしさを保つ。

●レチノイン酸クリームのしわ、皮膚の張りの改善効果(皮膚の若返り)

レチノイン酸クリームを若返り目的で使う場合は、
広範囲にレチノイン酸クリームを1~2日1回程度顔全体に使用します。
短期の使用で、ピーリング効果で、いわゆるくすみが取れます。
長期間の使用で表皮、真皮ともに厚さを増し、皮膚の張りが出てきます。
3か月程度を1つの目安として治療を行い、
その後1か月以上の間隔をおいて反復して治療を行うとよいでしょう。

○外用法

①1日、1回、塗ってください。

②使用当初、塗っても全く反応が見られないこともありますが、数日後から塗った部分が赤くなり、
肌荒れのようにポロポロ剥けてくることがあります(ケミカルピーリングとしての作用)。
そして刺激に対してさらに敏感になります。
このような反応はかぶれではなく、レチノイン酸が効果発揮していることの目安です。

③レチノイン酸クリーム使用中は皮膚の角質が剥れてきますので、一時的に皮膚が乾燥したり、
刺激に対して敏感になります。

④欧米人では使用当初から毎日使用する場合もありますが、
東洋人の場合は反応が強くでる場合もあるので、
皮膚タイプによっては、当初3日に1回夜のみ使用を2週間続け、次に2日に1回夜のみ外用を2週間続けます。問題なければ毎日1回のみの外用も可能です。

⑤レチノイン酸は人での奇形発生は全世界でこれまでありませんが、
念のため妊娠中の使用は避けてください。

○保存方法 

レチノイン酸は一般の薬剤に比べ分解が非常に早いため、冷所保存してください。


診療について

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